心理分析、俺の前世

俺の前世はサイボーグだったらしい。機械の体に人間の心という奴だ。俺の場合は心も機械だったのかもしれない。何を急に言い出すかって話だが、待ってくれ根拠が無いわけじゃあない。寝覚めのときやけに顎が疲れているんだ。さらに、ちょっと気を抜くと思いっきり歯を食いしばったりしている。


賢明な方はもう理解できたものと思う。そう、どうやら俺はピンチを感じると無意識のうちに加速装置を作動させようとしているらしい。しかしいくら奥歯を噛み締めても加速装置は作動しない。当然だ、俺はサイボーグではない。おそらくは「サイボーグ009」なんて漫画も前世の俺をモチーフに描いたものなのだろう。ああ納得だ、その前世とバランスを取るために、現世の俺はこんなにも役立たずなのだろう。これは業だ。ひゅるりらひゅるりら